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第0107号 ~顧問先の目線:税理士事務所の無言のアドバイス
(更新日:2011年09月27日)
今さらですが、顧問先は税理士事務所に勘定科目の仕訳だけを
期待しているわけではありません。
経営計画、新規事業シミュレーション、社内人事等についての
適切なアドバイスも求めているでしょうし、
ひょっとしたら社会人としての生き方までも求めているかも知れません。
そして、それは先生方の気づいていないところでです。
顧問先社長の視線を感じることはあっても、
顧問先社長の目線を意識したことは少ないのではないでしょうか。
つまり顧問先が見ている世界を同じように感じ取っていないということです。
例えば、顧問先のA社長から
「景気が低迷している今こそチャンスだと思うので、銀行から融資を受けて
社屋を増築し、社員も数名採用したい」
と相談を受けた先生が、
「やはり今は時期尚早なので、もうしばらく待ちましょう」
と適切な判断で答えたとします。
しかしながら、自分の事務所では駐車場を整備して、
大原簿記から若い所員を2名採用しました。
笑っている方もいらっしゃると思いますが、本当によくあるケースです。
この状況をその後、見聞きした顧問先のA社長は、
いったいどのように思うでしょうか。
先生方は、相手の立場も気持ちも深い悩みも手に取るように分かるのですが、
相手がこちらをどのように見ているのか感じているのかが分かっていません。
きっと「それは別の話だ」と心の中で線を引いているような気がします。
先生の一挙手一投足、巡回担当者の息遣いを顧問先は絶えず見ています。
そして、それが良い意味での無言のアドバイスにもなれば、
先生との距離を広げてしまう凶器になることもあるのです。
まずは、日頃から顧問先との距離を縮め、パイプを太くしておく
気配りが大切なのではないでしょうか。
相手の視線ではなく、相手の目線を意識することが繁栄の最低条件です。